2015年5月に旅を終えてから、このブログを読み返すことはほとんどありませんでした。
今年になって新型コロナウイルスが世界に広がり、外国へ旅することはかなり難しくなりました。
不思議なもので、行けないとなると、行きたくなり、世界一周で訪れた国のことを思い出すことも多くなりました。
あれから5年。今思い出しても感動する場面は何だろうかと考えて、順不動で書いてみることにしました。
感動には順位を付けられないので、ブログをざっと振り返ってみて順番に書いていきます。
一つだけ言えることは、ネットやテレビで特集するような、「行って見たい世界遺産ベストなんたら・・」みたいな場所へ行っても、ほとんど感動しませんでした。日頃、NHKの好感度カメラとドローンで何日もかけて撮ったような素晴らしい景色を見せつけられていると、それを期待して行っても、まずそれにかなうことはなく、けっこうがっかりします。感動のツボはいつも以外な場面にありました。
なお、ここに書くものは、人との出会いについては除外してあります。もちろん人との出会いも感動を生むのですが、素晴らしい人と出会った大切な思い出を、簡単に「感動した」とくくってここに書き出す気にはなれず、そっと大切に自分だけの思い出にしておきたいと思っています。
・サクラダファミリアの天井
これはもう文句なし。これはもう、事前にYouTubeなど決して見ないで、実際訪れ見てください。たくさんの教会の天井を見ましたが、こんなに素晴らしい天井はない。
・グラナダの駅から見た雪山の景色
故郷の山と同じような雪景色を見て、駅のホームで泣きました。
・オヴェールでゴッホが住んだ屋根裏部屋を見た時
その狭さと陰気さに驚きました。
・ハバナで空港からのタクシー運転手がスタンドでガソリンが手に入らず、仲間からペットボトルでガソリンを分けてもらった時。
こんなに不自由な日常なのに、全然めげていない人々に驚きました。
・マダガスカルで改造大型トラックに一昼夜乗った時
おそらく、今地球上で一番原始的な陸上移動方法だと思います。
・カルカソンヌのユースホステルで何か国語も流暢に話す受付に漢字クイズで負けた夜
言語を学ぶことが純粋に好きでユースホステルの受付で働いている人がいることに感動しました。
・モロッコで生意気なガイドをみんなで追放した時
これはちょっとしたドラマでした。河村さんとは今でも毎年会って一杯やっています。
・ヒトラーに粉々にされたワルシャワの町を建物のひび割れまで忠実に再現した人々を思った時
再現されたワルシャワの町を見た時、人々の心意気を感じました。
・イスタンブールのブルーモスクの天井
なぜか何度見ても感動する。
・フィッツ・ロイ
畏怖、畏敬。素晴らし景色でした。
・ウシュアイア、真夏なのに雪が降る町
真夏に雪が降り、宿は一晩中暖房。こんな町にも大勢の人が住んでいることに感動。雪がチラつく街歩きも忘れ難い。
いい年をした大人が感動して泣くということは、そうそうないと思うのですが、私はこの二年間の旅で何度も泣きました。
そのために旅をしたようなものでした。
騙されたり、うまくいかなかったこともたくさんありましたが、感動の涙が全部洗い流してくれました。
感動した場面はまだまだたくさんあるのですが、思いはいつも次の旅であり、感傷に浸ってばかりはいられません。
新型コロナが落ち着いたらまた行きたい場所へ行こうと思って準備しています。